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ここでは、当事務所の代表的な事例のうち、高次脳機能障害の示談の流れが確認できる事例を紹介します。

これはすでに、後遺障害が認定されていた話。

もちろん、高次脳機能障害認定そのものの手続きの経験はありますが、ここで伝えたいのは、被害者本人に、どのような示談をしたいのかの意思表示ができない場合の対応と、保険会社の契約のカラクリです。

その時の依頼人は、交通事故によって、脳に障害を受けた、被害者本人の親族です。
被害者本人は、問いかけへの反応もあるのかないのか、という状態。
退院など望めず、病院と、その付属施設を行ったり来たりしていました。
当然、本人は、加害者側の保険会社と、話し合いなどできません。
親族には、話し合いの権利はありません。
しかし、時間は当然に過ぎ、病院や施設の費用はかさむばかりなのに、被害者本人の口座も安易に動かせません。
損害賠償請求の時効も進んでいきます。

こういった場合は、判断能力を失った被害者本人に代わり、示談という法律行為を行ってくれる「後見人」が必要になります。

これは、単に、親族等が名乗りをあげればいい、という話ではなく、法的に、認められたものでなければいけません。

よって、家庭裁判所に手続きをとり、後見人を付けてもらわなければなりませんでした。

被害者本人の妻が後見人となり、保険会社(任意保険)との交渉にあたることになります。

特筆すべきは、加害者側の加入していた保険が「被害者の過失割合に関係なく、賠償金を支払う」というものだったことです。

確か、この案件は、被害者側の過失が、3割あったと思います。

なので、賠償金は、普通に計算して算出した額の7割になるはずが、この保険の特約に基づいて、10割出ることになるはず。

しかし、7割なのでした。

なぜって??

10割は、あくまで、任意保険会社基準で算出した額の10割だからであって、東京三弁護士会基準で計算した額の10割ではないからです。

このHPにたどり着く勉強熱心な方はご存知だと思いますが、自賠責保険は、3割の過失だと、過失減額なく、自賠責基準の上限額が支払われます。

なので、任意保険会社が、自賠責基準に限りなく近い形で、賠償金を計算したら、過失減額なく、賠償したような空気が演出できます。
でも、東京三弁護士会基準で計算した場合、それで減額できたはずの3割を減額しなかったら、任意保険会社は、大損害。
こんな、まやかしの特約で、加入者が支払う保険料、いくら加算されてるのかなぁと疑問に思います。

本人が示談できない場合の手続きの参考と、任意保険会社が何を考えているのかを思い巡らせてもらうために、あえて、この事例を記載させていただきました。

ちなみに、この方の高次脳機能障害は、重篤なものがありましたので、すでに別表1級の認定を受けていましたが、そうでない方の場合は、適正な認定を受けるには、自賠責保険に後遺障害診断書を提出する前に、しておくべきことがありますので、早めの専門家への相談をお勧めします。

高次脳機能障害では、医師の診断書をしっかり、の他に、やらなければならないことがあります。

高次脳機能障害は、それを認定させるための基準は、比較的明確ですが、それがどの程度の障害なのかを説明することこそが、困難な作業となります。

   
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