分家住宅が認められる3つの基準
分家住宅が認められる基準は、概ね次の3つになります。
1、市街化調整区域内に長期居住する者のための住宅
2、自己用住宅を所有する世帯の親族のための住宅
3、線引き前から新族の所有する土地における住宅
ザクっとそれぞれの要件をご紹介します。
(土地関連は、地域によってローカルルールがあったり、県知事の許可であっても、市町村にも基準があって、それを満たさなければいけないとか、いろいろあるので、参考程度にしてください)
1、市街化調整区域内に長期居住する者のための住宅
主に、市街化調整区域で生まれ育った者を想定しています。
(1)50戸連たん(50m以内、一か所のみ60m可。建物ではなく、建物のある敷地から距離を計測。付属建築物は、数に入れられない)
※連たんというのは、それなりに建物が集まっていて、道路や上下水整備等、設備管理の負担が自治体にとって少なくて済むかどうかを確認するためのもの。
(2)申請者は、市街化調整区域に15年以上の居住実績がある者が対象となる。開発区域を含む大字又は当該大字に隣接する大字内であれば、転居していても、合計で15年あれば、申請可能。(住民票・戸籍附票等で確認)適法な住宅での居住でなければならない。
(3)申請人とその配偶者に持ち家がない、他に適した土地がないなど、無資産であることが必要。
(4)原則、許可を受けた者以外の者が使用することはできない。
(5)専用住宅、開発区域500㎡以下
2、自己用住宅を所有する世帯の親族のための住宅
親の家から子が独立して、その敷地内に家を建てる場合に利用されることが多い基準。
(1)自己用住宅を所有する世帯(本家)は、借地でもよいが、家は、現に所有する適法な住宅でなければならない。家の所有者は、世帯主でなくても、世帯構成員であればよい。
(2)世帯主と生計を一にしていなければならないため、申請者が未成年の時に同居していればよいが、成人してからは、同居はしていても、自分の分は自分で稼いでいたとなると、生計を一にしていたとは言えなくなる。
(3)申請地は、借地であってもよいが、長期安定して権利が確保できる(定期借地権など)土地であることが必要。
(4)申請人とその配偶者に持ち家がない、他に適した土地がないなど、無資産であることが必要。
(5)原則、許可を受けた者以外の者が使用することはできない。
(6)専用住宅、開発区域500㎡以下
3、線引き前から親族の所有する土地における住宅
(1)線引き前から申請者の親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族(配偶者側の親せき))が所有する土地で、親族間の所有権の移動があった場合、特に相続のみに限定はしない。現在の所有者は3親等内の血族であることが必要。
(2)おおむね、20戸以上の連たんが望ましい。
(3)申請人とその配偶者に持ち家がない、他に適した土地がない(この基準は、申請人の父母、祖父母で生計を一にした者も土地を持っていないことが必要)など、無資産であることが必要。
(4)原則、許可を受けた者以外の者が使用することはできない。
開発行為・手続き情報
根拠法令 | 都市計画法 建築基準法 |
手続き窓口 | 都道府県の都市計画課又は出先機関(土木事務所等) 市区町村役場の都市計画課(条例や指導要綱がある場合) |
費用 | 開発行為許可の種類によって異なります。 |
その他 | 参考リンク集 土地利用・農地Q&A 報酬目安表 |
開発行為許可と分家住宅
永く住み慣れた実家のそばに家を建てたいと思うことはあるでしょう。
土地代の負担が浮く、という問題ばかりでなく、親が子に土地を譲りたい、少子高齢化・孤独死の問題が取りざたされる世の中ともなれば、スープの冷めない距離で、それまで同居していた親との関わりを保っていきたい、親子の思いやりが、そういう思いにつながって行きます。
しかし、日本では、効率的に、上下水道等の整備を行いたいとの考えから、土地については、市街化区域・市街化調整区域に分けるなどして、建物を建てる、という行為を制限しています。
建物が建てられる地域なら、もちろん、問題ありません。
しかし、建物が建てられない「市街化調整区域」だったらどうでしょうか。
一切の事情、親子の思いを踏みにじってまで、国によって土地利用は制限されるのでしょうか。
そんなことはありません。一定の基準を満たす場合にのみ、自己用の住宅を建てることができる、という決まりがあります。
これが、一般的に「分家住宅」と呼ばれる「開発行為許可申請」となります。
認められる基準は、大きく分けて3つです。
当事務所では、必要に応じて、土地家屋調査士、一級建築士等と連携を取ながら、スムーズに手続きを進めていきます。
許可を出すのは、地域によって、名称等異なりますが、市役所の土木課、県庁出先機関の土木事務所等になります。
とはいえ、開発行為許可申請にあたり、回らなければならない役所は、ここだけではありません。
そうであるからこそ、土地関係、特に開発行為許可申請には、行政への手続きに精通した行政書士が適任、ということになります。
他にも、商売系で開発行為許可が認められる基準があります。