総合評定値(P点)は、経営事項審査(経審)において、さまざまな計算をした結果、それぞれの業種ごとに付けられる点数です。
これが、経審の点数となり、国や自治体等に指名参加願を出すと、この点数を基礎として、それぞれの自治体等の主観点が付加されて、ランク付けされることになります。
ランクによって、受けられる工事の規模が異なるため、大きな公共事業を受注する権利を得るためには、上のランクを目指すことになる、つまりは、経審で、高得点を目指すことになります。
総合評定値(P点)は、次の式で算出されます。
総合評定値(P点)=[0.25X1]+[0.15X2]+[0.2Y]+[0.25Z]+[0.15W]
P点の理論上の最高点は2,134点、最低点は281点です。
それぞれのアルファベットには、意味があります。
X1:経営規模を表し、工事種類別年間平均工事完成高の評点
X2:経営規模を表し、自己資本額と利益額のそれぞれの評点を足して2で割った評点
Y:経営状況の評点で、主に決算書や申告書から計算される評点
Z:技術力を示す評点で、建設業の種類別技術職員数と工事種類別年間平均元請完成工事高の評点を4:1で合算した評点
W:社会性等を表す評点で、雇用保険や健康保険及び厚生年金、その他労働者福祉に資するものを中心に、営業年数や防災協定、経理状況などについての評点
それぞれのアルファベットの前についてる小数点付きの数字は、その評点と掛け算する数字で、それぞれの評点のP点への影響の大きさを示しています。
じゃ、0.25がついているX1やZは影響が大きくて、0.15がついてるX2やWは影響が小さいのかと言うと、そういうものでもありません。
掛け算の数字の大小も大切ですが、それぞれのアルファベット(指標)の絶対的な数字の大きさも、掛け算では重要だからです。
特に、Wは0.15のクセに、全ての工種でP点への影響が大きく、積極的に点数を上げる必要があります。
逆に0.25がついてるX1は、企業規模にもよりますが、思っているよりは、P点への影響が小さいため、どちらかといえば、同じ0.25のZに力を入れることになります。
経審は、従業員を守る制度は積極的に利用し(W点)、技術を持った人材を集め、積極的に施工主から直接仕事を受けたことにある業者(Z点)に、公共事業を受けてもらいたいと考えているのでしょう。
本来、下請あっての元請ってこともあるし、歴史を顧みても、大きな今川軍よりは、今川家にこき使われていた三河軍の方が、今川の下請みたいな感じでたくさん戦をさせられたおかげて、小さくても戦上手だった、その強さが、ひいては徳川となり、天下を取ったはずなので、元請の技術力を過大に、下請けの技術力を過小に評価するのは、個人的にはどうなのかな、って思っています。
建設業以外でも、日本の技術力を支えているのは、小さな町工場だというのは、もはや公然の事実ですよね。
これの事実を無視した施策が、日本の技術力の流出を招き、現在の危機を招いているって言ったら、言い過ぎでしょうか。
と言ってもしょうがないので、この範囲で、力を持った建設業さんが、きちんと評価されるように、お手伝いするのみなのでした。