自動車解体業の許可は、他法令の遵守が厳しく求められています。
中でも難しいのが「都市計画法における開発行為許可(建物を建てる許可)」です。
なぜなら、自動車解体業許可は、原則、屋根付きの建物内での解体を求めているからです。
もちろん、工業団地で自動車解体業を行うような場合は問題にならないのですが、土地の値段が安い市街化調整区域では、この開発行為許可がネックになります。
市街化調整区域での開発行為許可は、自動車解体業の許可が取れるかどうかを大きく左右するのですが、その取扱いが都道府県によって大きく異なります。
全国の開発行為許可を確認できないので、ここでは北関東での自動車解体業許可における開発行為許可の考え方と、自動車解体業許可の関係について説明します。
1、栃木県
自動車リサイクル法:自動車解体業の解体作業場は必ず屋根がある建物が必要
都市計画法(開発行為許可):調整区域では自動車解体目的の建物は建てられない
=調整区域で新たに自動車解体業許可を取得することはできない(必須である建物が立たないから)
※例外として、自動車リサイクル法施行時、特例で自動車解体業目的で開発行為許可を取得したことがある建物が建っている土地ならば開発行為許可が不要の場合がある。
2、茨城県
自動車リサイクル法:自動車解体業の解体作業場は必ず屋根がある建物が必要
都市計画法(開発行為許可):調整区域で自動車解体目的の建物が建てられる基準がある
=調整区域で新たに自動車解体業許可を取得する場合、開発行為許可を受けることができる。
※ただし、開発行為許可を茨城県ではなく、市区町村で取得しなければならない場合は、茨城県と基準が異なることが多い。
3、群馬県
自動車リサイクル法:自動車解体業の解体作業場は「原則」屋根がある建物が必要
都市計画法(開発行為許可):調整区域では自動車解体目的の建物は建てられない
=調整区域で新たに自動車解体業許可を取得する場合、解体作業場は「屋根なし」で取得できる場合がある。
※ただし、その場合、解体作業場に漏れるであろう油、空から降り注ぐ雨の処理の問題の解決方法をよく考える必要がある。雨天時は作業をしない、十分な油水分離槽など。
これは、ものすごくデリケートな問題なので、物件を契約等する前に、必ず関係窓口に事前相談を行ってください。ここではとてもザックリした説明になっています。
また、非線引区域については建築は比較的自由ですが、それでも面積制限等があったり、既にそこに立っている建物が実は問題だったりすることがあるので、こちらも事前相談を必ず行ってください。