信書便事業には、「一般信書便事業」と「特定信書便事業」とがあります。
前者は「全国全面参入型」の事業で、後者は「特定サービス型」の事業です。
信書便法では、クリームスキミ ング(いいとこどり)を防止するとともに信書の秘密を保護するための規律が設けられており、業務への参入には許可を受ける必要があります。
(1) 一般信書便事業(許可制)
一般信書便役務を全国提供する条件の下、すべての業務への参入が可能となる「全国全面参入型」の事業
一般信書便役務とは、信書便の役務であって次のいずれにも該当するものをいいます。
① 長さ、幅及び厚さがそれぞれ40cm、30cm、3cm以下であり、かつ、重量が250g以下の信書便物を送達するもの
② 国内において信書便物が差し出された日から原則3日以内に当該信書便物を送達するもの
(許可基準)
① 事業計画が信書便物の秘密を保護するため適切なものであること
② 全国における一般信書便役務に係る信書便物の引き受け・配達の計画を含むこと
・信書便差出箱の設置その他の随時かつ簡易に差出し可能な引受けの方法
・週6日以上の配達を行うことができる配達の方法
③ その他事業の遂行上適切な計画を有するものであること
④ 事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること
(料金規律)一般信書便役務について
① 全国均一料金
② 重量25g以下で、一定の大きさ・形状の信書便物の料金が総務省令で定める額(80円)を超えないなど
(2) 特定信書便事業(許可制)
次のいずれかに該当する信書便の役務(特定信書使役務)のみ提供する「特定サービス型」の事業
① 3時間以内に信書便物を送達するもの
② 1000円を下回らない範囲内において総務省令で定める額を超える信書便物を送達するもの
③ 長さ、幅、厚さの合計90cm超、又は重量4kg超の信書便物を送達するもの
(許可基準)
① 事業計画が信書便物の秘密を保護するため適切なものであること
② その他事業の遂行上適切な計画を有するものであること
③ 事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること