行政書士のお仕事には「証拠に残した方がよい書類」の作成というものがあります。
例えば、離婚協議書、示談書の作成。
口約束も契約だとよく言われますが、「はぁ? そんなこと言ったっけ??」って言われてしまったら、その契約は無いのと同じですよね。
遺言書も、もしそれが無かったら、死後に夢枕に立つ自信があり、さらに夢枕に立たれる人がキリストやマホメットでもない限り、亡くなった後に遺志を伝えることも、伝えられた人の言うことが他の人に信用されることもありません。
契約を解約しましたなどの「一方的な通知」をすれば有効なものも、口で伝えただけでは、「はぁ? 聞いた覚え無いなぁ」って言われたら終わりです。
離婚した時には、離婚協議書で、養育費や慰謝料をどのように取り決めしたのか書類にする=離婚協議書
交通事故などの賠償では、その賠償金の支払いについてどのように取り決めしたのか書類にする=示談書
相続で、故人の遺産をどのように分けることにしたのかを書類にする=遺産分割協議書
クーリングオフに基づいて、有効に契約を解除したことを確実に伝え、それを証拠に残す=内容証明
当事者間で売買などの契約をどのような条件で締結したのか書類にする=契約書
他にも、遺留分減殺請求などをはじめ、行政書士が手掛ける、証拠に残した方がよい書類はたくさんあります。
こういう書類があるからと言って、相手から訴えられたりしないかと言うと、訴えるのは自由なのでそうもいかないのですが、証拠に基づいて訴えるのを諦めさせたりすることができます。
そんなことから、この行政書士の「証拠に残した方がよい書類の作成」は『予防法務』と呼ばれたりします。